◆ Project-1 Pro-Arm サスペンション部

 サスペンションについては、まずSPADAのショックをそのまま使用するか、NC30のショックに変更するかの2通りが考えられる。NC30の方がモノがいいので出来ればNC30のショックを使用したいが、、、

 左がSPADAで右がNC30。SPADAの方はクッションが付いていないが、NCと同じ位置にクッションが付く。

 写真を見れば分かる通り、クッションアーム(三角形のモノ)とクッションコンロッドの形状が ”逆”になっている。SPADAではクッションアームがプレート2枚に対しNC30は一体モノである。クッションコンロッドはその逆になっている。これは、NC30のクッションの方が長い為で、NC30はクッションがクッションコンロッドの中に入り込める様になっているが、SPADAの形状だとクッションがクッションコンロッドに当たってしまう。クッションが短いSPADAでは大丈夫だが、NC30のような長いクッションではSPADAの方式には無理が生じる。よってNC30のクッションにSPADAのクッションの下部を取り付けSPADAのクッションアーム、コンロッドを使用しようとしても、コンロッドに干渉して都合が悪くなる。基本的にはクッションに合ったクッションアーム、コンロッドの方式を採用しなくてはならない。

 クッションの上側の取り付け部分はNC30もSPADAも同じなので、どちらのクッションも未加工でフレームには取り付けられる。

 NC30のクッションを付けた場合。クッションアームはNC30用の為当然そのまま使用出来るが、クッションコンロッドはフレームに合わない為に取り付けられない。

 SPADAのクッションを付けた場合。

 この写真ではわかりにくいが、手前側(右側)のプレートがスイングアームの取り付けフランジ部に干渉してしまって取り付けられない。

 あと、穴のピッチも変更しないと取り付かない。

 NC30のクッションを使用する場合はクッションコンロッドを製作する必要があるわけだが、SPADAのフレーム側の取り付け幅に対してNC30のクッションコンロッドの幅は余りにも広すぎる。クッションコンロッドのフレームに付く方を狭めたモノを造っても、狭めたら今度はクッションに干渉してしまう。

 一方、SPADAのクッションの場合は、ノーマルのクッションアームプレートはスイングアームの取り付け部に干渉してしまう為に使えないものの、NC30のクッションコンロッドに比べれば取り付け幅の差は小さいので、SPADAのクッションを使用して、スイングアームへの取り付け幅の狭まるクッションアームプレートを製作する事にした。

 クッションアームの3つの穴の位置関係は、某バイクメーカーで設計に携わっている知人によると、かなり計算して設計されているらしいが、元の車両のサスペンションの取り付け位置関係すら把握する事が出来ない(NC30のフレームが無いし、あったところで正確な位置関係を計測をする為には3次元測定機にかけるわけだが、その為にはエンジン等をすべて下ろさなくてはならない)自分としては現物合わせで造った方が数倍話が早い。
 さて、とりあえずこのクッションアームプレートの3つの穴の設定だが、クッションコンロッドの取り付け穴とクッションの取り付く穴のピッチは同じにした。とりあえずメーカーが計算して設定した数値を少しでも流用した方が恐らく確実だと思ったからだ。もう一つの穴位置が変わるので必ずしもこの数値が有効とは言い難いが、その方が残り1つの穴位置を設定するだけでよいので楽なのもまた事実。
 干渉する手前のプレートを外して、奥(左側)のプレート1枚で穴の位置合わせを行う。
 クッションがスイングアームの穴の中心くらいの位置(一番干渉しにくい位置)に合わせて、ボルトを通す穴にマジックを通し奥のプレートに穴位置のしるしを付ける。
 これで流用する2つの穴と、マジックで付けた印の位置を測定して、試作品を造る。最終的にはベアリングを圧入した部品を造るわけだが、手間かけて造っても穴のピッチに問題があっては何にもならない。

 完成したピッチ確認用の試作クッションプレート。
 右(写真手前)側をボルトで固定しているが、これは継ぎはぎしてある間にワッシャーを挟み、その数を変更して丁度しっくりくる段差に調節出来るようにする為。

(この写真は正確には異なる。実走テストの時には一番左側のボルトに付いているカラーがプレートを貫通する試作2号を使用しており、この写真のプレートを使用する場合はカラーは取り付けられない。)

 
 とりあえず試作品を装着してみた。見た目も別に悪くない。
 クッションプレート部を8mmビデオで録画して、自分で股がり何度か車体を沈ませた。後でテレビにつないで再生して確認してみたが、どこも干渉する事無く、スムーズに作動していた。


2000.3.24 (Sat)

 スキマゲージ(シクネスゲージ)でスイングアームとクッションアームプレートの間を調べたら、左側(写真奥)は全く隙間がなく、右側(手前)も部分的に隙間がなく、プレートをこじている状態だった。

 恐らく試作1号、2号を造った後でスイングアームを弱冠右側に変更した為だと思われる。

 よって左側も2枚構成の試作3号を製作。

クッションアームプレート備考

試作1号 スイングアームへの連結部の穴径がボルトの径と同じ。カラーが装着出来ない
試作2号 スイングアームへの連結部の穴径がカラーも入る大きさに変更
試作3号 左側も2枚構成に変更した物。右側は2号をそのまま流用、左側は1号の右側用プレートの穴を広げただけ。


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