◆ Project-1 Pro-Arm まとめとその後の経過

 とりあえずほぼ作業が完了してほっとしている。プロアームを買って来た時はかなり不安もあったが、無事に装着する事が出来てよかった。

 だらだらした作業と度重なる部品待ちで結局1ヶ月以上もかかってしまったが、組み上がってエンジンをかけ、ガレージのシャッターを開けて外に出す時は、さながら新型のワークスマシンをピットから出すような気分で、なんとも言えず嬉しかった。


2001.1.14 (Sun)

 初の本格シェイクダウンをしに某峠に行った。寒さを凌ぐ為と、カメラマン係として友人に車でついて来て貰った。かなり厳しい寒さに体を震わせながら到着。しかし、、、

 夜中に雪が少し降ったらしく、路面には雪と雪解け水が凍っていて、とてもテスト走行なんて出来る状態ではなかった。それどころから転倒しずに走らせるので精一杯だった。結局上まで登らずに、途中で止めて車の中で弁当食べて暖まってからあえなくUターン(涙)。

 まあ、しかしワインディングでのコーナーリングテストは出来なかったが、道中はトラブルなく安定して走行出来た。ただ、エア抜きを手抜きした為か、リアブレーキの感触が不安定だったような気がした。


2001.1.17(Wed)
 エア抜きをやり直して、街中を走り回ってみた。しかしやっぱり街中走ったくらいではよくわからないと言うのが現実。街乗りでは全く問題はないのだが、、、週末に再度峠に出かけるしかなさそうだ。しかし、Wディスク倒立タイプのフロント一式の部品が手に入りそうだったら部品調達に出かける予定。
2001.3.24(Sat)

 「その他干渉物」で潰されていたホースだが、SPADAではこれがexパイプに当たらないように通しておく部分があったのだが、NC30ではそれらしきモノがないのでとりあえずナイロンバンドで他のホースに束ねていた。しかしこのナイロンバンドがexパイプに触れたのか熱で溶け切れててしまっていた。exパイプに少し溶けたナイロンストラップが付着してしまっているのが確認出来る。
 ホースを反対側に逃がしてフックで固定した。このフックはフックの取り付け面に付いている接着剤を過熱して張り付けるモノで、取り付け面が粗くても強力に粘着する。ホームセンターで購入。
 クッションアームプレートがこじていたので修正。詳しくは「サスペンション部」参照。


2001.4. 7(Sat)
 東海地区のバイク雑誌「Bike Guide」のイベントの為に静岡の磐田までリッチに高速道路をフル活用して行った。片道130kmくらいの距離で、平均巡行速度は時速90kmくらいだったのだが、途中で僅かながら異音がしだした。しかし、実際のところ時速80kmを超えると風の音がうるさくて殆どわからない。エンジンの状態もイマイチよく無いので、一概に足廻りのせいとも判断し難い。しかし目的地に着いて車体の確認をしてびっくり、チェーンがだらだらにゆるんでいる。異音の原因はこれだった。幸い目的地付近でバイク屋さんを通過したのでそこまで戻ってチェーンの調整をして貰ったのだが、バイク屋さんに「チェーンの張りがよってるね〜、今だったらまだチェーンの交換だけですむから早く替えた方がいいよ」と言われた。帰りは順調で自宅に着いてからチェーンを確認してもバイク屋さんが調整した通りの張り具合だったのだが、、、
2001.4. 8(Sun)
 そのままのチェーンで片道30kmの峠にシェイクダウンに行ったのだが到着してからチェーンを確認したら今度はパンパンに張っている。タイヤを何回か回転させて何度も確認したがやはり張っている。昨日は緩んだ物が今日は張る?走りの違いは高速道路と街乗りと言ったところか、、、となると大きな違いは何度もニュートラルに入れて停止してから一速に入れる時の”ガコン”と今日は意図的にエンジンブレーキを殆ど使わないようにした事か、、、

 そこで、峠で強いエンジンブレーキを掛けた所チェーンの張りが丁度良くなった。しかししばらく走るとまた張りすぎ状態になってしまった。その後また強いエンジンブレーキを掛けてみたがチェーンは張ったまま戻らない。これが原因かどうかはわからないのに何度も強いエンジンブレーキを掛けるのも車体に負担が掛かるのでとりあえず撤退。単純にチェーン調整の締め付けが緩いのでは?と思ったが、昨日のバイク屋さんはがっちり締め付けていてなかなか緩まない程だった。

 とりあえずチェーンの交換は必至。今週は乗らずに週末に交換する事にする。まだ400kmくらいしか走っていないチェーンなのだが、、、原因がナゾだ。とりあえず考えられるのは、組み上がり初頭にチェーンが張り気味だった事、、、良く考えたらこれでフロントの移植が開始されたから距離は走って無いが時間は経っている。一番怪しい。それとチェーンラインが弱冠ずれていた(と思う)事くらいか、、、それならば交換してちゃんと調整すれば話はすむのだが、、、

 懸念しているのはホイールの”ダンパラバー”がなくなっている事。これはこのHPの来訪者の方から指摘を受けたのだが、通常のバイクは”ダンパラバー(ハブダンパー)”というのが付いていてスプロケットとホイールの間で弱冠衝撃を逃がしている。しかしNC30のホイールはダイレクトマウントなのでモロに衝撃が伝わる。NC30ではクラッチあるいはトランスミッションあたりに”バックトルクリミッター”なるモノがあってそこで衝撃を逃がしているらしいのだ。この対策をしない事にはエンジンを傷めてしまったりその他弊害が予想される。これが今回の原因だとするとかなり厄介だ。対策が練りにくいのでまた動かない日々が始まる、、、


2001.4.14 (Sat)
 とりあえず仕方がないのでチェーン交換。今度はカシメタイプにしてみる事にする。幸い自宅に某メーカーのレーシングチームの関係者から貰ったD.I.Dのレース用チェーンが転がっているので、それを持って近所のバイク屋さんに行った。カシメ機を持って無いので、買うよりやってもらった方が安く上がるしラクだからだ。しかし、そのチェーンは硬くてバイク屋さんのチェーンカッターで切る事が出来なかった。そうなるとどうもそのチェーンは使えない。チェーンを新しく買い直さなければならない。しかも、ベアリングカップホルダが叩いても回らないと言われてしまった。マイナスドライバーで強く叩かれた為さらに潰れが増しているし、、、

 夜、RACING WORLDにチェーンを買いに行ってびっくり、カシメ工具が1万4千円もする。チェーンも安くて1万円。あまりのショックでそのまま撤退。

 とりあえず、チェーン調整の際に叩いているベアリングホルダーがもうベコベコになってしまっているので、それを調整するピンスパナと一緒にインターネットで注文した。送料、代引手数料、消費税込みで1万4千円。出費がかさむがやむを得まい。


2001.4.15(Sun)
 朝、RACING WORLDに電話して、チェーン交換の作業をすぐにやって貰えるか聞いたら、昼の2時までは予約が入っているから出来ないと言われてしまった。しかし昼はジムカーナの見学の予定が入っている。2時に予約するわけには行かないし、何時に帰ってくるとも限らない。自分はプライベートの時間はその時の気分次第で何をするか決めたいので予約を嫌う人間だ。そんなわけで予約はしずに、ジムカーナの見学にRVTで出発。

 いつでもチェーンの調整が出来るようにタンクバックにパンタジャッキとその他チェーン調整工具を搭載して行った。予想通り途中でチェーンが張って来た。自宅から20km地点でチェーンを緩めた。目的地までが更に10kmほどで、やはり張り気味になっていたので今度はかなり緩めた。帰りは途中調整無しで強引に帰って来たが、自宅に付くとやはり張っていた。状況は深刻さを増して来た。

 結局夕方RACING WORLDに行って、チェーンとカシメ機を思い切って購入。合わせて2万5千円、、、カシメ工具の購入はかなり迷ったが、店にやって貰うとなると作業する人に説明しないといけないし、ベアリングカップホルダの”叩き棒”も渡さないといけない。またマイナスドライバーで叩かれるとどんどん潰れる。逆に作業する人は素人に”こうやって下さい”と言われるのはあまり気分のいいものではないだろう。時間的にも週末にツーリングの約束をしてあるので、出来れば早く交換して少し走らせてみて様子も見たい。イタイ出費だが仕方がない。


2001.4.18〜22
 チェーン交換作業を開始したわけがが、今までチェーン調整の為に叩いて回していたベアリングカップホルダ(本来ピンスパナと呼ばれる工具を使用して調整する)がゴテゴテに潰れて広がってしまっていて、その結果カップホルダ本体がスイングアームにこじており、非常に回りにくい状態になっていた。かなり強く叩かないと回らない。よって余計に潰れてしまう。既に新しい部品は注文してあるが、恐らく部品が入荷するには一ヶ月近くはかかるだろう。頻繁にチェーンの調整が必要な今の状況で、これをそのまま使用するのはさすがにマズイ。よって、カップホルダを外してゴテゴテになっている部分を削る事にした。

 プロアームはベアリングカップホルダを回す事によりチェーンの張りを調整する。
 いつかこの日が来るとは思っていた。マ、マフラーが邪魔してホイールが外れない。。。やむなくマフラーを外す。

 外したベアリングカップホルダ。かなりひどい。

 潰れていた部分をサンダーとヤスリを使って削った。これならこじる事もなくピンスパナでも調整出来るだろう。本当はこの後もう少し削っている。

 ここまでバラバラにしたのなら汚くなっている部品を塗装しようと思い、スイングアーム廻りの塗装を開始。スイングアームはガンメタに塗った。本当はもう少し銀色の予定で、少し吹き付けた時に「あれ、黒すぎる。マズイな〜。」と思ったのだが、色自体は気に入ってしまったし、「意外と組んでみたら個性的でかっこいいかもしれない」なんて甘い考えと、何よりまた剥がして別の色で再塗装するのが面倒だった為にそのままの色で作業を進めた。
 錆と汚れ落とし、塗装、組み付けを同時に進行していく。新しくなった部品で組んでいくのはウレシイ。しかし、、、新たに塗った塗装が剥がれやすい。何故だろう?簡単に剥がれてしまうのだ。考えられる原因は、
1: もとの塗装、メッキの剥がし具合が中途半端だった
2: 脱脂に使ってみた車内掃除用のウェットティシュがまずかった
3: 錆落とし、ペーパーがけをしているような非常にホコリっぽい空間で横暴にもそのまま塗装を敢行した
4: 下地剤、塗装、塗装、クリヤーの時間の間隔が短かった(表面が乾けばすぐに次の塗装を敢行していた
5: 塗装面の厚さが適切でなかった
6: 塗料代をけちって自宅に転がっていた合成樹脂塗料を使用した
これくらいだろうか、塗装に関する知識のある方、原因の御判断をお願いしますm(_ _)m

 改善後。

 組み上がったスイングアーム左側。ベアリングカップホルダがきれいに納まっている。無理な ”こじれ”は解消されているので、以前にくらべるとかなり楽に回す事が出来る。しかし、これは裏を返せばベアリングカップホルダが回ってしまい易い事になる。つまりチェーンの張りが余計に安定しなくなる可能性もある。かと思えば逆にベアリングカップホルダが片寄って潰れてこじていたので、振動で回転してしまった為チェーンの張りが安定しなかったとも言える、、、謎が謎を呼ぶ、、、

 せっかくきれいになったのにまた叩いて潰してしまうのは勿体無い。と言うかこれだけ苦労したものを叩いて回すなんて横暴な事はとても出来ない。と、言うわけでピンスパナの代用品を製作する事にした。


 即席(と言う割には意外と時間がかかっている)ピンスパナ。元はFフォークのスプリング圧縮用に製作したモノをサンダーで削って(上の部分)製作。

 ああ、何て色に塗ってしまったんだ、、、(涙)


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